声帯に偽膜が作られる最大の要因として挙げられるのが、「カンジダ真菌(カビの一種)」の異常増殖です。カンジダは本来、口腔内や消化管に存在する常在菌ですが、喉の局所免疫が低下した隙を突いて繁殖し、偽膜を形成します。
特に近年多く見られる発症契機が、気管支喘息や咳喘息の治療で使用される吸入ステロイド薬の局所沈着です。吸入後に適切なうがいを怠ると、喉の粘膜に微量のステロイドが残り、局所の免疫防御能が低下してカンジダ性偽膜性声帯炎を誘発しやすくなります。
そのほか、激しい声の酷使による粘膜の微小損傷、広域抗菌薬(抗生物質)の長期連用による菌交代現象、糖尿病や過労による全身の免疫力低下なども発症リスクを大きく押し上げる原因となります。