神社が位置する奈良県十津川村は、日本一広い面積を持つ村としても知られる。かつては秘境中の秘境として一部の修験者や熱心な信者のみが訪れる場所だったが、近年のデジタルツールの普及がその様相を一変させた。
YouTubeでの動画配信やSNSの投稿をきっかけに「一生に一度は行くべき聖地」として話題を呼び、旅行者の波が押し寄せている。しかし、これが地元の観光業に好影響をもたらす一方で、深刻な混乱も生んでいる。最大の原因は、山間部特有の電波障害だ。訪問者の多くが頼りにするGoogle マップなどのナビアプリが、すれ違い不可能な危険な林道や廃道を指示し、動けなくなる車両が相次いでいる。観光振興と安全管理のバランスは、村にとって極めて切実な課題だ。