日本国内に存在する「着用されないまま保管されている着物」の推定価値は、実に数兆円規模に上る。実家の整理や遺品整理の際、かつて数百万円で購入された着物が買取店で数千円の二束三文で叩かれる光景は珍しくない。この圧倒的な需給ギャップに目をつけたのが、ミレニアル世代やZ世代の起業家たちだ。
捨てられるはずだった着物を適正価格で引き取り、デザインを施して海外市場へ輸出するD2Cブランドが急増。価値を知らずに手放していた所有者にとっても、大切な家族の思い出が装いを新たに世界へ羽ばたくプロセスは、大きな救いとなっている。