終電間際の静まり返った駅ホーム。当時20歳だった山田千紘を突如襲った惨事は、一瞬の出来事だった。足を滑らせて線路へと転落し、進入してきた電車と接触。意識を取り戻したとき、彼の世界は完全に激変していた。右腕の上腕、そして両足の太もも付近から先を失うという「三肢切断」という絶望的な現実が、彼を待ち受けていたのだ。
「なぜ自分がこんな目に……」目覚めた病院のベッドで襲いかかる激痛と絶望感は、想像を絶するものだった。身体の過半を失い、二度と以前のような生活には戻れないという現実に、心は何度も折れかけたという。しかし、家族や周囲の温かい支え、そして「もう一度自分の足で歩きたい」という切実な想いが、彼を再び前へと突き動かした。絶望の渦中からの生還劇は、単なる生き残りの記録ではなく、魂の再起をかけた壮絶なドラマの幕開けだった。