祝祭のスケールは今や日本国内に収まらない。
新宿の大型街頭ビジョンや渋谷のスクランブル交差点、さらにはニューヨークのタイムズスクエアやソウルの主要地下鉄駅に掲出されるバースデー応援広告(センイル広告)。これら数百万から数千万円規模の広告出稿の多くは、ファン有志によるクラウドファンディングで資金が集められている。
DiscordやグローバルSNSを通じて、時差や言語の壁を越えたプロジェクトチームが結成される。翻訳ツールを駆使してレギュレーションを確認し、絵師にファンアートの発注を行い、広告代理店と契約を結ぶ。彼らを突き動かしているのは金銭的見返りではなく、「推しの素晴らしさを世界に知らしめたい」という純粋な衝動だ。国籍も母国語も異なる人々が、あるひとつのキャラクターの誕生という共通項だけで連帯する光景は、現代のポップカルチャーが持つ最大の奇跡かもしれない。