作中で影山茂夫が着用する衣装の根幹は、詰襟の黒学ランと、昭和〜平成初期を彷彿とさせる素朴なカジュアルウェアだ。ONE独特の極限まで無駄を削ぎ落としたラインワークは、90年代の日本のストリートファッションや日本の標準的な学生服のデザインをモチーフにしているとされる。シンプルゆえにシルエットの美しさが際立ち、余計な装飾を排したスタイルは、ミニマリズムの極致とも言える。
劇中でのカラーリングや影の描写には、アニメーション制作を担当した株式会社ボンズのこだわりが凝縮されている。無個性に見えて、実は肩の落ち感や丈感、インナーのVネックの絶妙な開き具合など、キャラクターの「気弱さ」と「潜在的爆発力」を表現するための巧みな視覚的フックが仕込まれているのだ。