医療機関の実力を測る上で、最も客観的な基礎データとなるのが乳がん手術件数ランキングです。年間手術症例数が数百件規模に達するハイボリュームセンターでは、早期がんから進行がん、遺伝性乳がん(HBOC)に至るまで多彩な臨床経験が蓄積されており、術中トラブルへの対応力やチーム医療の練度が極めて高い水準にあります。
全国トップクラスの実績を誇る施設には、年間1,000例前後の手術を手がけるがん研究会有明病院(東京都江東区)を筆頭に、聖路加国際病院(東京都中央区)、国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)、関西圏では大阪国際がんセンターや兵庫県立がんセンターなどが名を連ねます。手術件数の多さは、執刀医の技術力だけでなく、病理診断科、腫瘍内科、放射線治療科、形成外科との迅速なカンファレンス体制が確立されていることの証左です。
ただし、単に症例数が多いことだけが絶対の正解ではありません。乳がん治療実績名医が率いる中規模病院や大学病院でも、患者一人ひとりに寄り添ったきめ細やかな診療と先進的な臨床試験へのアクセスを提供しているケースが多々あります。数字をベースにしつつ、各病院が持つ強みの領域(温存手術の割合、再建手術の実績、通院治療センターの規模など)を見極める視点が欠かせません。