時代が平成から令和へと移り変わり、フィクションの世界、特にダークファンタジーの文脈において「隻眼」の役割はさらなる深化を遂げた。その筆頭と言えるのが、三浦建太郎による不朽的名作『ベルセルク』の主人公・ガッツである。片目と片腕を失いながらも巨大な鉄塊を振るう彼の姿は、過酷な運命に対する絶望的な抗いと、人間の執念そのものを強烈に体現していた。
一方、集英社が誇る大ヒット作『東京喰種トーキョーグール』では、主人公の金木研が「隻眼の喰種」という数奇な運命を背負わされる。人間と怪人の狭間で葛藤する金木研の右目に宿る異形さは、二つの世界の境界線に立つ孤独な存在の象徴であった。物語が佳境へ向かうにつれて語られる「隻眼の王」という絶対的な概念は、単なる能力の強弱を超えた、新時代の変革者を導く象徴的記号として読者の心を揺さぶったのである。