心理学やメンタルヘルスケア業界の専門家は、強い憎悪の裏に隠された「共依存」の構造を指摘する。激しい怒りは、裏返せば相手への強い関心や依存の証でもある。完全に冷め切っていれば無関心になるはずが、殺意に近い執着を持ち続けることで、皮肉にも夫婦という関係性に縛られ続けてしまう。
民間や自治体の夫婦問題相談の現場でも、夫への愚痴を何時間も語り続けながら「別れる気はない」と断言する相談者は珍しくない。相手が変わることをかすかに期待しているのか、あるいは被害者という立場に留まることで自らの存在理由を見出しているのか。愛憎の深層心理は極めて複雑だ。