福岡市早良区に眠る吉武高木遺跡は、「日本最古の王墓」として考古学界に衝撃を与えた。特定された木棺墓群からは、多形勾玉や銅鏡、銅剣・銅矛といった権威の象徴が大量に出土し、邪馬台国よりもはるか以前の紀元前2世紀〜紀元前1世紀段階で、すでに強大な権力を持った首長=「王」が存在していたことを明確に示している。
注目すべきは、出土した青銅器やガラス小玉の原料組成が、中国大陸や朝鮮半島との強い繋がりを示している点だ。吉武高木遺跡の王たちは、単なる一地域の首長にとどまらず、玄界灘を渡る海上ルートを握り、東アジアの国際情勢に直接コミットする先進的な外交能力を備えていたのである。