「自分はただの人見知りで、コミュニケーション能力が低いだけではないか」と思い悩む人は後を絶ちません。しかし、臨床現場における鑑別診断では、一般的な内向性や他の不安障害と男性恐怖症との間には明確な境界線が存在します。
精神医学的な分類において、男性恐怖症は米国精神医学会の診断基準『DSM-5-TR』における「限局性恐怖症(特定の恐怖症)」、あるいは状況によって「社交不安症(SAD)」の一部として捉えられます。最大の特徴は、「対象が男性(あるいは特定の属性を持つ男性)に限定されている」という点です。
表から明らかなように、女性の友人や家族とは何ら問題なく談笑できるにもかかわらず、相手が男性になった途端に交感神経が急激に過活動を起こし、身体が防衛体制(闘争・逃走反応)に入るのが男性恐怖症の決定的な特徴です。本人の意思とは無関係に脳の扁桃体が「生命の危機」を感知して警報を鳴らしているため、精神論で抑え込むことは極めて困難です。